湘南藤沢片瀬山より
先日TVでも特集されていましたが、最近スマホの使い過ぎによる腱鞘炎でお悩みの方が増えているとのことでした。
これまではピアニストや美容師など特定の職業についている方や加齢による筋力の低下が原因で起こる症状とされてきたものが、近年職業や年齢にかかわらず多くの人に見られ始めました。
海外では数年前から「スマートフォン・サム(thumb:親指)」という診断名も確立されているようで、「テキストサム」という呼び方もある現代病です。
元来人類は、木の枝や物を握ったり道具を掴んだりするために手を内側に閉じる筋肉を発達させてきました。
掴んだものを離す時にはその力を抜けばよいだけで、それ以上力を入れて過度に開く必要はなかったので、指を伸ばす筋肉はそれほど発達していません。
ところが、スマホやパソコンの普及で、過度に開いたり伸ばしたりする動作が必要になってきました。
特に親指だけでスマホを操作したりメッセージを打ったりする方は、1日何千何万回と親指を様々な角度に動かす事になるのでその負担もかなりのものです。
腱鞘炎を治めるには、まず安静にして同じように使わない事が第一です。痛みをこらえて酷使し続けるとやがて腕や肩、首の張りにつながり、頭痛が起こる場合もあります。
当店でも、急に肩こりや首の痛みが酷くなってご来店されたという方々にお話を伺うと、ちょうどスマホを使い始めた頃だったり、機種変更してサイズが変わった後から症状が出始めたというような方もいらっしゃます。
既に痛みが出ている方は、スマホでの親指入力を控え、キーボードやマウスは手首の下に物を置いて少し高くして、指を無理に伸ばさなくても打てるよう工夫してみてください。
道具はますます進化して便利になっていきますが、その進化に人間の体はすぐには追いつけません。そのうち、人間の体に合わせて親指入力しないで良いようなデザインになるかもしれませんが、それまでは使い方を工夫して上手に付き合っていく必要があるかもしれませんね。